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SHIMIZUYA Laundry Soap 誠実な人たちが、誠実につくった洗濯せっけん 

清水屋クリーニング「誠実な人たちが、誠実につくった洗濯せっけん。」

このたび、伊織で新しくランドリーソープ(洗濯洗剤)を取扱うことになりました。

愛媛の人にはとっても馴染み深い老舗クリーニング店「清水屋クリーニング」がつくった「SHIMIZUYA Laundry Soap」は600ml入りボトルでお価格が2500円。

洗濯のプロであるクリーニング屋さんが監修した洗剤とはいえ、ちょっとお高い……と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、この価格にはちゃんと理由があります。

「SHIMIZUYA Laundry Soap」は他と何が違うのか。どんなところでつくられたのか。商品ページには書ききれない、商品開発に込めた想いから、知っているようで実は誤解されている? 洗濯にまつわる基本のキを教えていただきました。


\ この方にお話を伺いました /

清水屋クリーニング 代表取締役 清水栄治さん

清水屋は昭和35年に愛媛県松山市で始まったクリーニング会社。現在は愛媛県下に5つの工場と、132の営業店舗を展開。


− 「SHIMIZUYA Laundry Soap」をつくろうと思ったきっかけは?

クリーニング業をしているので当然、ずっと洗剤には興味がありました。いつかオリジナルの洗剤をつくりたいという思いはありつつ、とくにきっかけがなかったので本業に専念していたのですが、そんなときに清水屋のリブランディングを手がけてくれたデザイナーさんから「BIO HOTELS JAPAN(以下、BHJ)と洗剤をつくる話があるんですが、興味ありませんか?」と声をかけていただいて。

この取り組みをきっかけに初めてBHJさんとお会いしたのですが、話を聞くとBHJさんは、体と環境にやさしい社会づくりを目指して活動されているところだと知りました。単にお金儲けのためではなく、信念をもった人たちがつくろうとしている商品ならばぜひ一緒にやりたい! と。そしてBHJさん協力のもと、福岡県にある「パルセイユ」さんと石鹸ベースの洗剤の開発をすすめました。

 

BIO HOTELS JAPANについて

BIO(ビオ)とは、オーガニックのこと。ヨーロッパを拠点に志の高いホテルや生産団体が集まり、有機認証団体のサポートを受けて発足されたビオホテル協会。日本ビオホテル協会は、厳しいBIO基準を基底とするビオホテル協会の公認を受け、2013年5月に発足。ビオホテルそのものを普及させるだけでなく、BIOというライフスタイルを提案。「BIOライフ」をキーワードに様々な商品やサービス提供を通じて新しい価値観を創造をミッションとしている。

 

クリーニング屋なので、とにかく洗浄力だけはきちんとしたい。

BHJさんと共同開発に取り組んでいた製造元のパルセイユさんとの間で、すでにある程度レシピはできていたのですが、そのまま完成させてしまうと清水屋が参加した存在価値がないので、僕が普段から抱いている「天然系とかオーガニック系洗剤は洗浄力がイマイチだ」というイメージや、ものは良くても使い勝手が悪いところなど、実用面で、いろいろと気を遣うことが多いので、その問題がうまく解消されるような洗剤にするという目標を持って取り組みました。

うちは洗浄テストが得意なので、テストを繰り返しながら、パルセイユさんと「もうちょっと洗浄力をあげられませんか?」などのやりとりを重ね、今のレシピが完成しました。

 

パルセイユ(PALSEYLLE®︎)について

「石鹸の製法を紀元前の原点から。」ひとりの研究者のこの想いから生まれたコスメブランド。福岡県芦屋町の自然の恵みをふんだんに使い、良質な植物が持つ本来の酵素・ビタミン・ミネラルなどをそのまま活かした独自の製法で製品づくりをおこなっている。総合BIOブランドとして、コスメティックだけでなく、食やライフスタイルの提案もしている。

 

− 当初のレシピと大きく変わりましたか? 

パルセイユさんはもともとコスメやボディソープをつくっている会社ですが、理論が一緒なのでそのノウハウを駆使しながら、ボディソープの成分をうまく転用して洗剤づくりに活かしました。なので構成はほぼ変わっていないのですが、ボディソープから成分比率などを変えて調整してもらって検証を繰り返し、少し洗浄力を高めてもらいます。

開発のスタート当初、正直まだ洗剤の成分とかに明るくなかったのですが、商品をつくるからには中途半端なものは出せないし、お客様から問い合わせがあったときに「よく分からないです」とは答えられないので、成分や石鹸の分子構成、薬事法などについても真面目に勉強しました。

「SHIMIZUYA Laundry Soap」に注目してくれる人は、環境や体のことを意識している方でしょうから、そういう人たちにとって一番大事なことは、「本当に環境や体にいいんですか?」ということだと思うんです。その期待を裏切らないような洗剤をちゃんとつくりたい。そしてなるべく、普通に手軽に使えるようなものにしたい。洗浄力においても「天然成分だから仕方ないよ」と諦めなくてもいいようにしたいという気持ちでつくりました。

清水屋クリーニング提供/撮影:三宅英文

一番のアピールポイントは「誠実な人だけでつくった商品ということ。

BHJさんとの出会いも大きいのですが、パルセイユさんはとにかく社長さんのこだわりがすごい。この人と出会ったから、うちも自信をもってこういう商品を出していけると思いました。

うちも含めて「商売っ気がない」と言うと嘘になるし、売れてくれたら当然嬉しいのですが、ただお金のために何でもやるわけではない。ちゃんとしたものを評価された上で儲かるのは嬉しいけど、儲かるからと言って手を抜いて安いものにしてうまくやったり、そういうことができないんですよ。当たり前のことではありますが、この商品の一番のアピールポイントは、「誠実な人だけでつくっている」というところかな。

信頼の置ける人と一緒に取り組んでいるということで、私たちも安心してお客さんにも説明ができるというところが一番ですね。とにかく誠実に。

「環境にやさしい」とは?

「環境にやさしい」というのは、いろんな側面からの捉え方があると思うのですが、川や海に出たときに、短時間で分解されて、無害なものになるかどうかというのが環境負荷の問題になるわけです。

たとえば、放射能とかが漏れてしまうと、何百年も滞留してしまうことが問題なんですよね。2、3日で分解して無害なものになるならば、大騒ぎしないはず。

要するに、自然を壊したり、健康を害す要因が「長い時間居座り続けてしまう」ことがよくないことだと思うんです。

各メーカーが「天然のものがいいでしょ」という話をなぜするかというと、自然界に出ていったときにすぐに分解されやすく、無害なものに変わる期間がとにかく短いからなんです。石油由来の合成洗剤だと、分解するのにすごく時間がかかったり、最終的に分解されずに居座り続けてしまう成分がどうしてもできてしまう、という違いがありますね。

一方の思い込みだけで他方を否定するのはどうかと思うので、ある程度全部把握した上で、良い点と良くない点を公平に理解して話ができるようになりたいと思っています。

自然に戻されるプロセスをちゃんと理解しないと。

自らを否定するような話になってしまうのですが、洗濯の排水は、現代では直接川に流れるわけでなく、基本的にはまず下水処理場に行くはずなんです。下水がないところも浄化槽を通って、ある程度浄化されたものが外に出て行く。いずれにしても、そのままダイレクトに自然界に排出されるわけではないから、(洗濯排水について)本当に気をつけるべきことなのか? という考えも少しあって。

だから、排水とか下水処理が最終的にどうなってから自然界に戻されるのかというプロセスをちゃんと理解しないと思って。その辺りは今も勉強中です。

トータルでみて、自分にとってプラスだったら使った方がいいんじゃないですか

単純に洗浄力だけで選べば、汚れがよく落ちる洗剤は他社製品でもいっぱいあります。だけど当然、マイナスの面もある。環境とか健康に配慮するのであれば、天然由来の方がいいかなとなるし。けれど人によっては「汚れが落ちないような洗濯をして服がダメになったら捨てるしかない、そのあたりSDGs的にどうなの?」「きれいに洗って長く着たほうがよくないですか? 服を1着作るのにどれほどの環境不可が……」という意見もあり、壮大な話になってしまう。

たしかに、身の回りの「エコ製品」と呼ばれるもののなかには、つくる過程で実は自然環境に負荷をかけてできあがっている商品もあります。こういった話題はどうしても局所的な話が多くなってしまうのですが、“トータルで見て、少しでもいい方向に。”という視点がすごく大事だと思います。

「SHIMIZUYA Laundry Soap」の個性とは?

柔軟剤を使わず、洗剤だけでOK。

− ほかの洗濯洗剤にはない「SHIMIZUYA Laundry Soap」の個性とは?

石鹸をつくる方法は、あらかじめ油脂を分解して取り出した脂肪酸と、アルカリを反応させる「中和法」と、油脂そのものをアルカリで加水分解する「鹸化法」の2種類があります。大量生産している製品のほとんどは「中和法」。「鹸化法」は比較的少量生産で、「SHIMIZUYA Laundry Soap」のような天然系の石鹸をつくるときに使われる方法です。

石鹸をつくるときに副産物として、天然のうるおい成分と呼ばれるグリセリンができるんですよね。

「鹸化法」に、短時間でつくるホットプロセスと、長時間かけてじっくりつくるコールドプロセスの2種類あるのですが、コールドプロセスのほうがそのグリセリンの残留率が高い。

ざっくり言うと、油分にアルカリが反応して石鹸とグリセリンができるので、油を100入れてアルカリが100反応すると、油はゼロになって全部石鹸に変わります。

コールドプロセスでは、(100油を入れた場合)99は石鹸になるけど、1は油のままに残り、そこにプラスしてグリセリンがある。グリセリンと油の成分が一緒に混ざった状態の石鹸が出来あがるんですね。

石けん製法図解:SHIMIZUYA laundly soapはけん化法のコールドプロセス製法
コールドプロセス製法とは
油脂とアルカリの反応熱だけでじっくり熟成させて石けんをつくる製法。熱による油脂成分へのダメージが少なく、塩析(石けん成分だけを取り出す工程)を行わないので、適度な油脂と保湿成分の天然グリセリンが含まれる。

つまり、コールドプロセスでつくった「SHIMIZUYA Laundry Soap」は、お肌の保湿などにもよく使われるグリセリンが含まれているため洗い終わったあともしっとりするといった効果があります。

なので「柔軟剤なしでもOKですよ」とご案内していて、実際に使っているお客さんからも、仕上がりがパサつきにくいという声が届いています。洗い上がりのしっとり感が、他の洗剤にはない魅力かな。

石鹸のもとになっている油も、ユーカリ葉油、オレンジ果皮油など植物性の、絞ってすぐの一番オイルを使っています。

オイル自体にオレイン酸が非常に多く含まれていて、これによって最終的に洗い上がりに石鹸カスが出にくいという特長にもなっています。

極論だけど、ついてすぐの汚れはだいたい取れます。

たまに洗剤の実演販売などで、今その場でつけた汚れにシュシュッっとかけて(汚れを)落として「すごいでしょ!」とやっているのを見かけますが、あれをみるたびに「今ついたばかりの汚れはすぐ取れるでしょ!」と思ってしまって。(笑)

付着してすぐの油汚れは、油系のシミ抜きを使えばすぐに馴染むので、溶けてしまえば流れ落ちます。

汚れが落ちるかどうかは、汚れの種類よりも、付着してどのぐらい経過しているかがすごく重要。

最終的に(付着物が)酸化するとか、繊維に染み込んでしまうと汚れ落としが面倒になる。

たまに洗濯は週1回というお客さんから「なにか問題ありますかね?」というような質問を受けるのですが、なんともコメントしづらいんですよね。可能であれば、なるべく頻繁に洗ったほうがいい。放置して、汚れが酸化してしまうととにかく面倒になるんです。酸化するということは“物質の性質が変わる”ということだから。タンパク質系の汚れは、熱が加わると取れにくくなります。いい例が、生卵。あれはタンパク質の塊ですよね。トロッとした白身の状態で服に付いたとしても、水で流せば簡単に取れる。でもそれを一旦お湯に入れて、白身が固まってから取ろうとすると、取れにくくなる。

血液なども同じで、付着してすぐに水で洗えば落ちるのに、しっかり取ろうとしてお湯を使う人がいるんですけど、そうすると熱で固まって取れにくくなる。「今日の汚れはその日のうちに洗うと、大抵の汚れは落ちますよ」というのを伝えたい。よほど特殊でなければね。

「香りを期待する人にはおすすめできませんね。」

− 洗剤選びでは「香り」を重視する人も多いですが。

「SHIMIZUYA Laundry Soap」は、天然オイル(ユーカリとオレンジ)の香り。ボトルから直接嗅ぐとほんのり香るし、洗濯直後に取り出すときにもほんのり香りますが、乾燥し終わったあとはほぼ香りは残りません。基本的に天然系の洗剤で、香りが長続きするものはあまりないですね。自然界でなかなかそういう状況はないので。

★ 香りを楽しみたいという場合は、「精油」で香りをプラス
すすぎの段階で、柔軟剤と同じような投入方法で「水に溶いた精油」をポトンと入れると、ほんのりいい香りが楽しめます。(精油の量はお好みで)

柔軟剤が必要なものと、そうでないものを理解すること。

− 伊織ではタオルの毛羽落ちや吸水性低下を避けるために柔軟剤の使用を控えていただくようにおすすめしているのですが、手ざわりだけでなく香りを楽しむために柔軟剤を使っているというお客様も多い印象があります。

(繊維がコーティングされ)肌ざわりがさらっとして気持ちいいんでしょうけど……極端な話、柔軟剤やリンス、トリートメントは、残るようにつくられているということを理解してもらいたい。柔軟剤は、本当の意味で天然のものなんてないと思います。

吸水性を求めるものというのは、タオルとかインナーとか肌着とか、ある程度肌に近いものだと思うんです。そういうものは洗剤だけで洗うほうがいいけど、ニットなどのおしゃれ着は、ちょっとでも手触りがいいほうが嬉しいものもある。となると、柔軟剤は絶対的に不要というわけではないんです。

理屈を分かったうえで、使い分ければいいんです。タオルなど肌に直接触れるものには使わず、吸水性は関係なく手ざわりを求めるような洋服なら柔軟剤を使って。そのあたりは、まず使う人に理解してもらいたいですね。

あと柔軟剤をどうしても使いたいという人の理由のひとつとして「静電気」があります。

たとえば洗剤のみで洗って、乾燥機にかけると、状況にもよるんですが静電気が発生しやすいんですよ。柔軟剤というのは水を抱き込む性質があるので(その性質でしっとり感も出るのですが)、静電気を放電しやすく溜め込まない。自然乾燥の場合は関係ないのですが、静電気を嫌って柔軟剤を使うという人もいるかもしれませんね。

★ 乾燥機を使うときに静電気を抑える方法としても「完全乾燥させない」というのは有効!

110ml60回分。毎日使っても約2ヶ月分。

基本1回10mlとは記載しているけど、洗濯物がそんなに汚れていなければ5mlでも大丈夫なので、使いながら調整してくださいとお客さんに案内しています。1回10ml使った場合、60回分なので毎日使ったとしても2ヶ月分。販売価格だけみると決して安くないんですけど、1回あたりで考えると、実はそんなに高くないんですよという話もよくしますね。

毎日使って2ヶ月持つし、非常時にはボディソープにもなる成分でできているし……天然のボディソープをこの価格で買えると思うと、そんなに高くないでしょう?(笑)

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