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コットン 米綿・茶綿・和綿について

[コラム]米綿・茶綿・和綿

以前ここのコラムで取り上げた「白くないコットン、カラードコットン」のお話。
繊維の白さを「白色度」といいますが、白い方が品質が高いというわけではないんですよ。
綿の色や、繊維の長さは産地や品種によってさまざまなんです。

今回は、今治タオルメーカーさんのコットン栽培プロジェクトで伊織スタッフが収穫体験の際に実際に手にすることができた綿についてお伝えしたいと思います。


米綿(べいめん)

もともと、アメリカで品種改良された綿を米綿といいます。
一番メジャーなアップランド綿(陸地綿)をはじめ、ミシシッピー綿、テキサス綿、カリフォルニア綿など栽培地域によっていろいろ種類があります。
メキシコ綿も、アメリカで品種改良された米綿の仲間。
繊維の長さは一般的に中くらいで、タオルやTシャツなどにもよく使われます。
さわってみると、これぞコットン! といった感じのふわふわとした感触。
ほぐしてみれば、しっかり繊維が絡み合っているのもわかります。
明治政府が米綿の国内生産を試み、米国から取り寄せた種で試験栽培を繰り返したけれど、気候が合わず断念したという経緯が物語るように、雨の多い日本での栽培には相応の覚悟が必要かもしれません。

今治タオルメーカーさんの綿花栽培プロジェクトコットン 米綿 房4つ
今治タオルメーカーさんの綿花栽培プロジェクトコットン 米綿 房5つ
コットンボールの房の数は同じ1本の木でもまちまち(3〜5個)なのが不思議

茶綿(ちゃめん)

コットンの原種は、茶色いワタをつけていたといいます。
染色のしやすさを求めて品種改良を重ねた結果、白いコットンが生まれてそちらがスタンダードになりました。
ところが近年、ナチュラルでオーガニックな生活に注目が集まるにつれ、茶綿のよさも見直されはじめました。
カラードコットンと呼ばれる「もともと色のついた綿」を利用した商品が増え、人気を集めています。
綿の色はペールオレンジやミルクティー色、キャメル色など種類によってさまざまです。
色と手触りからトイプードルを思い出しました。モフモフ。

今治タオルメーカーさんの綿花栽培プロジェクトコットン 茶綿
収穫時、茶綿の実は下向きに開いていました。これは見つけにくい……

和綿(わめん)

今回の収穫体験では、和綿は少し時季がズレていたため収穫できませんでした。
江戸時代初期頃から栽培が盛んになった、日本古来の綿が和綿です。もとはインドから持ち込まれたと考えられています。
昭和20年代までは全国に約200種もの和綿があったらしいのですが、海外からの綿花の輸入が主流になり、絶滅の危機に直面。その姿はほとんど見られなくなくなりました。
ただ、近年、栽培を再開するケースも出てきているとのこと。
草丈は米綿に比べると小さく、華奢。ギザギザした葉っぱの形から、米綿と見分けられるそうです(素人には難しい)。
日本各地の風土や土壌に合わせて品種改良されてきた和綿は、米綿に比べると繊維が太く短いのが特徴の短繊維種綿。
夏は湿気を吸い、冬は空気を含んで温かいのだとか。湿度の高い日本の気候に適した綿なんですね。
サンプルとして、すでに収穫されていた和綿を触らせてもらうと、米綿よりもモワっとした弾力があり、表面はさらりとした手ざわりでした。


ひとくちに「コットン」といっても、いろいろあることが実感できました。
今後も、機会があればいろいろな「綿」について取り上げていきたいと思います!