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厳しい品質基準をクリアしたとはいえ、今治タオルも綿製品のひとつです。洗濯を繰り返すことによって、タオルの糸のボリュームや弾力性がなくなり、少しずつ硬くなってしまうのは避けられません。でも洗濯の方法や干し方にちょっと気をつけるだけで、タオルの肌触りを長持ちさせることができるのをご存知でしょうか。

お洗濯ものをポイッと洗濯機に入れて、洗剤と柔軟剤をたっぷり入れてスイッチオン。そんなお洗濯の日常が、今治タオルによってガラリと変わります。タオルを長くいい状態で使いたい、それにはどのようにお洗濯するのがいいのか、そのポイントを整理いたしました。

たっぷり多めの水で

エコの観点から家事全般においても節水節電が謳われるようになって久しいですが、実はタオルの洗濯にとって大事なのは十分な水の量で洗うことです。

水の中で洗濯物が大きく動くことで、溶け出した汚れがしっかりと洗い流されます。また、生地の傷みも考えると、ギチギチと他の衣類とこすれ合わない状態が理想的。特にタオルのように毛羽落ちがあるようなものは、タオルがゆったりと泳ぐくらいのたっぷりの水で洗いたいところです。 すすぎにも十分な水量が必要です。すすぎは、洗剤で溶かしだされた汚れを含んだ水を薄めていき、本当の意味で洗濯物から汚れを落とす作業です。タオルのように水分を良く吸うものは、汚れた水も吸収しやすいので、それをしっかりとすすぎ落とすことが大切です。

とはいっても、いつも大量の水をジャバジャバと贅沢に使うことは気が引けます。洗濯物の汚れの度合いや、生地の性質を見極めて、それに応じて水量を調節してみましょう。全自動洗濯機は、衣類を入れてスタートボタンを押すと自動で衣類の重さを測って適切な水位を表示してくれる便利な機能を備えていますが、洗濯機の示す水量はあくまで目安程度に考えて、ご自分の目で確かめて、タオルが水の中でちゃんと動くような水量で洗濯をするように心がけてみてください。

脱水後は放置しない

遠心力で洗濯物から水分を飛ばす脱水は、とても便利な機能です。ただ、かなり強い力で洗濯物が洗濯槽に押さえつけられるので、脱水後にフタを開けてみると、洗濯槽の端に洗濯物が固まってビッタリと張り付いているような状態です。

この強い圧力により、やわらかいタオルのパイルはつぶれてしまいます。洗濯したタオルがゴワゴワになるのは、ループパイルがつぶれて寝てしまうことが主な原因です。そのままの状態で放置されてしまうと、ギュッと圧縮されたまま表面が乾き、もとの質感に戻りにくくなります。

乾燥機付き洗濯機であればそのまま乾燥行程に入るので問題ありませんが、普通に干す場合は、脱水が終わったらすぐに取り出し、よくほぐすことが大切です。また、脱水したまま長時間放置してしまうと、雑菌の繁殖で匂いがつくことも。

パイルのほぐし方

パイルのほぐし方は簡単です。タオルを広げて(バスタオルなど大きなものは2つ折りで)端を両手で持ち、空中で大きく上下に振ります。

少し強めに素早く振り下ろし、パンパン、あるいはバッサバッサと音がするくらいがベストです。この動作によって繊維の間に風が強く通り、タオルのパイルが立ち上がります。回数は10~20回が目安。

バサバサするにはある程度のスペースが必要ですが、これだけで、干し上がりのふんわり感とボリューム感が洗濯前に近い状態になります。タオルのふわふわ感は表面のループがまっすぐ立ち上がっていることによって生まれるので、洗濯時につぶれて寝てしまったパイルを立ち上げることがとても重要なのです。

干し方、取り込み方

干して乾かす場合は、干す前に、タオルを大きくバサバサと振ってよく風を通し、パイルを立ち上げましょう。干す場所はなるべく日陰で風通しのいい場所を選びます。そして乾いたらすぐに室内に取り込む、これがタオルの干し方のポイントです。

洗濯物や布団、まな板など、天日干しすることで、表面に付着する微生物が殺菌されるということはよく知られています。細菌数を減少させる大きな要因は太陽光に含まれる紫外線。実はこの紫外線の影響で、洗濯物が硬くなってしまことをご存知でしょうか。やわらかいタオルなどは、直射日光が当たらない日陰、たとえば屋根つきのベランダならフェンス側ではなく窓に近い方で干す等、少し工夫をしてみましょう。また、太陽の高度が最も高くなる12時前後が紫外線量も最も多く、日が傾くとともに紫外線量も少なくなっていきます。

紫外線量の多い時間帯を避けて干すのも一案です。それでも、どうしても直接紫外線に当てて殺菌したいという方は、タオルが乾いたらすぐに取り込むことを強くおすすめします。長時間干しっぱなしではなく速やかに取り込むことで、バリバリするのをある程度防げます。上手に干して、やわらかな風合いを長くお楽しみください。

ドラム式洗濯機

少ない水で洗濯できるエコ思想から、急速に普及してきたドラム式洗濯機。叩き洗いという洗濯方式で、繊維がペッタンコになるため、タオルのパイルはまるでプレスしたようにつぶれてしまいます。

自然乾燥でこれを元の風合いに戻すのは至難の業。そこで、ドラム式の場合は、洗濯から乾燥まで一気に使っていただくのがおすすめです。ドラム式の乾燥は、槽を回転して下から上へ衣類を舞い上げて、風を入れながら適度にたたきつつ動かし乾かします。しっかりとパイルがほぐされ立ち上がるので、とてもふんわりやわらかく仕上がります。

ドラム式だけれど、どうしても天日干しをしたいという場合には、洗濯後、少し乾燥機能を使ってパイルを立ち上げてから、外に干すという方法もあります。乾燥機能のないドラム式の場合は、デリケートな衣類(ウール、シルク等)用のコースを選んで、水量最大で洗うことで、パイルをつぶれにくくすることができます。洗った後はしっかり振ってパイルをほぐしてから、日陰に干しましょう。

柔軟剤の効果的な使い方

洗濯で、衣類をやわらかく仕上げたいときに使う柔軟剤。柔軟剤は、繊維の表面に潤滑性のある薄い皮膜を作ることで、触った時の摩擦抵抗を減らし、洗濯物の肌触りがやわらかく感じられるようになるものです。繊維自体をやわらかくするわけではありません。ですから、新しいタオルに使用してもあまり効果は感じられず、表面がコーティングされることで逆に吸水性が落ちたり、繊維がすべってパイルが抜けたりする場合があります。

今治タオルに関していえば、柔軟剤は毎回投入するのではなく、タオルが前よりゴワゴワする、硬くなったと感じるときに使うのが効果的です。綿毛布など、吸水力をあまり必要とせず、柔らかな肌触りを求めるようなものには、洗濯の度に柔軟剤をお使いになってもかまわないでしょう。また、タオルに香り付けをしたい場合は、柔軟剤ではなく、洗濯後にファブリックミストやランドリーミストをお使いになるのもおすすめです。

高品質のタオルはお洗濯を少し工夫してあげれば、長く使うことができます。