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伊予絣会館

今治の綿産業と伊予絣(いよかすり)

今治では江戸時代より綿栽培が盛んでした。瀬戸内海に面した温暖な気候と少ない降雨量が、綿花の栽培に適していたからです。そんな今治の綿を使って誕生したのが、「伊予絣(いよかすり)」です。
伊予絣(いよかすり)
九州の絣織物(前もって染め分けた糸を経糸、緯糸に使用して織り上げ文様を表す織物)を手本とし、鍵谷カナが松山で創始したものとされています。伊予絣は松山藩の保護を受けた綿産業をベースに、家内制手工業として発展しました。染めと織りに非常に手間のかかる品ですが、明治10~20年頃から本格的に生産高が増え、日露戦争(1904年~)の頃には国内トップシェアを誇りました。しかし、第一次世界大戦(1914年~)をピークに、生活様式の西洋化や洋装の普及がすすむにつれ、日常生活で目にすることは少なくなっていきました。
紺と白のコントラストが美しい、日本三大かすりの一つ、伊予絣。今でも松山市で製造されており、素朴な風合いと味わいは、使う人の心をほっこりさせてくれます。日本で古くから庶民の間で親しまれてきた独特の色彩と、洗うほどに灰汁が抜け、鮮やかになる色味が絣の魅力。
「今治タオル」の特徴である「先晒し先染め」製法が、「伊予絣」においても採用されています。両者の関連性については定かではありませんが、染色や織りに手間をかけ高い品質を求める姿勢には共通するものがあるのかもしれません。