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タオルの誕生

トルコのハマムとタオルの誕生

トルコには、古くからハマム(Hamam)という公衆浴場(トルコ式風呂)の文化がありました。日本の銭湯やサウナのような場所ですが、宗教的な意味あいも持っているのがハマムです。イスラムの教えでは体を清潔に保つことがとても重要視されます。そのため、トルコ人をはじめムスリムの人たちにとってハマムは体を清潔に、浄化できる大切な場所であり、また社交の場でもありました。今ではそのは減ったものの、ハマムは地元の人に親しまれている文化です。また観光施設として外国人観光客の関心も集めており、イスタンブルなどの歴史的都市では観光客向けに営業しているハマムもあります。
タオルの誕生
ハマムとタオルは切っても切れない関係です。ハマムには裸に大判の布(タオル)を巻いて入ります。その姿で長時間くつろぎながら楽しむ交際、娯楽の場として、ハマムは庶民に愛されてきました。古くからハマムで使われていたタオルは「ペシテマル(Peshtamal)」と呼ばれます。紀元前から今に伝わるトルコの伝統工芸品です。体をすっぽり包めるほど大判で、これを体に巻いたり、体を拭いたり、大理石の床に横になり汗をかくときの敷物としても使います。とても吸水性が高くすぐに乾くのが特長です。タオルの役割をしますが、現代のタオル地のようなパイルはありません。
では、パイルのあるタオルが誕生したのはいつ頃でしょうか。オスマン帝国の発展に伴い、トルコではより精巧なデザインの、凝った織物がハマムでタオルとして使われるようになります。織物職人たちは絨毯織りの技術を取り込み、さまざまな試行錯誤を重ねました。そして18世紀、トルコ北西部の町、ブルサで現在のパイルのあるタオルの原型が生まれたといわれています。当時、パイルのある織物はすべて職人による手織りで、1日に3〜4枚作るのが限界だったといいます。それはやがて「havly」として知られるようになり、現在はトルコ語で「havlu」が、「タオル」「ループ付き」を意味する言葉となっています。