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[コラム] 湿度65%

タオル工場の湿度は65%です。これはタオルソムリエ試験に出ます。冗談です。いやでも本当に出る問題ですよ!
タオル工場に限らず紡織工場において、温度と湿度の管理は、生産管理上極めて重要なのです。特に湿度は最も重要で、静電気の発生や、糸の強度と伸度に影響するため、各メーカーさんが研究と試行を重ねた末、ノウハウとして湿度65%という目安の数字が生まれているのですね。
ではなぜ65%なのでしょうか。一般に工場において高湿度は天敵です。機械や工具にとって悪影響しか与えず、カビや結露、素材の劣化などもあるため、適度に加湿するならともかく、65%というかなり高い湿度を工場全体で保たないといけないとなると、かなり大掛かりです。気密性を上げるために窓は締め切り、熱はこもり、作業する人も大変です。
織機サンプル
綿は摩擦特性から、乾燥すると糸が切れてしまいます。高温多湿になるほど強度、伸度が増しますので、設備を整えて高い湿度をキープできるようにしているのです。また、作業中に大きく湿度が変動すると、製品の巾長も不安定になりますので適正な値でキープすることが必須です。逆に、絹は湿度があがりすぎると強度が下がります。同じ繊維でも違いがあって面白いですね。
あわせて、工場内の空調も重要で、タオルを織るとどうしても短い繊維が空中を飛びまくってしまいます。最初は小さな繊維でもたまってくるとすぐ塊になってしまい機械に詰まるとトラブルになるため、湿度管理とともに集塵にも気を使い、糸切れも抑えた良好な生産環境を築き上げているのです。
伊織のお店でも毎日清掃していますが、まれに繊維ホコリが出てくることも・・。タオルを置いているだけのお店ですら繊維が溜まるのですから、工場全体をクリーンに保つのはとても大変なことですね。